SSブログ

Air!-小山宙哉という漫画家- [漫画]

いきなりの告白(…いや、艶っぽいソレではないです)ですけれども、先日まで、実は私のパソコンは、壊れておりました。
保証期間終了前に出して何とかしてもらおう、と思いまして修理に出してみたところ、即行直してくれました。ありがとう、N〇C!
ただ、引取りの際の時間指定は、何か手違いがあったような気がしないでもなかったりしましたが。まあ、きちんと打てるようにしてもらったので、良しとしましょう。

壊れていた箇所は、どこかと申しますと、“g”のキーがですね、認識しなかったり、打ってもいないのに、連打を始めたりで、どう考えても、ソフト面というより、ハードがいかれてました。まさに、「Gの脅威」といった感じです。
連邦の白いMSというならともかく、単に、ほうっておくと「gggggggggg」と打ち出されたり、「がぎぐげご」を打とうと思ったら、いちいちIMEパッドを開いて入力しなければならず(もしくは普段のローマ字入力から、かな入力へ切り替えて入力。もっとも、キーボードを御覧になれば分かりますが、かな入力に切り替えても「ぎ」は打てないんですけども…)、という、ろくでもない脅威です。これより、キツいGの脅威(かの黒い方、G様の脅威…)よりはマシというものですけれども。

G様の話はさておきまして、パソコン。
どうにも面倒くさかったので、なかなか修理に出さずにいたのですが、早いとこ修理出しておけば、要らんストレス溜めずに済んでいたかも、とちょっと後悔しました。

で、gの連打ということで、思い出した作品がありますので、今回はそちらについて書いて参りたいと思います。


その作品とは、小山宙哉「GGG(ジジジイ)」(講談社)です。…本当、まんまですね。
単行本で見る限り、偶然にも、掲載誌で頭から見ていました。

粗筋は、こんな感じ。
飄々とした爺さん暁利一(演技もできる70歳)が主人公でして、この爺さんの正体は、妙なコソ泥。安価なものしか盗まない、妙な泥棒で、初めて盗んだものがブルースハープだったことから、警察からは「ハープ」と呼ばれています。
その「ハープ」=暁利一、自分と関わりを持った人の窮地に際して、その驚異の身体能力を活かして、人が奪った大事なものを奪い返したり、大事な人へメッセージを送ったりと、爽快なオチにつなげる作品です。

ものがたりの内容自体が、爽快な話なんですが、それをより効果的にしているのは、主人公の周囲の「空気」ではないか、などと思います。
何かと申しますと、主人公の言動、走りや跳躍、全般に軽やかで、気持ちがいいんですね。
特に、主人公が疾走したり、跳躍したりする際の描写に、その軽快さが顕著に現れています。何か、主人公の周りだけ重力が軽くなっている(重力が軽いって表現、何か変でしょうか)、そんな感じがします。
例えますと、かつて、バスケの神様は“Air”と呼ばれましたが、漫画の中で、それを具現化したような、そんな印象があります。

そういえば、この方、井上雄彦のアシスタントでもしていたんでしょうか。「GGG」の前作に当たる「ハルジャン」を見た際に、絵の傾向が似通っていて、何か「ん~?」と思って見てしまいました。
蛇足ながら、この「ハルジャン」についても。

題材は、スキージャンプ。ここでも人の飛翔が描かれていますね。描かれる特定の人物の周りだけ空気が軽くなったような、そんな雰囲気を描きたいのかなぁ、などと適当な想像をめぐらせたりします。
作品全体については、ちょうど1巻分、ということなんでしょうけれども、終わり方が中途半端(打ち切りっぽい、というか)で、この作品は、どうも微妙な感じです。

さらについでに書きますと、先日、「宇宙兄弟」(講談社)という作品の単行本が刊行されました。興味を持たれた方は、御覧になってみてはいかがかと思います。
舞台は宇宙。主人公は、2人兄弟の兄。その弟は偉く優秀で、NASAの宇宙飛行士として、月面に降り立つ初の日本人で、現在訓練中。兄も、仕事を辞めたのを機に、JAXAの宇宙飛行士の応募に参加して、現在結果待ち。ただ、兄本人は落ちたと感じているようで…、という感じ。

舞台が宇宙、ということですので、この作者の描く不思議な浮遊感というものが遺憾なく発揮されるのかなぁ、などと思って期待しております。
…まあ、今のところは、主人公がフラストレーションを溜めていて、「溜め」の段階なのですけれども。
いや、「溜めの段階」といっても、悪い意味ではないですよ? 話おもろいし。前述のような、浮遊したような感じが今のところない、というだけです。あまり、目立って評判になってはいないんですが、個人的に、かなりお気に入りの作品です。読んでみて、同じように「気に入った!」という方が増えてくれないかなぁ、と思います。


ところで、この作者の名前は、小山宙哉。「宙」の字が入っています。
仮にこの名前が本名でなく、PNであるとすると、彼は前述のような「空気感」を描きたいがゆえに、それにちなんで、このPNなのかなぁ、などと適当なことを思います。…当たっていると、ちょっと嬉しいです。

蛇足ながら、「空気感」という他に感じるところとしては、この方の作品のリズムというのかテンポというのかは、…ちょっと不思議で、独特な感じがします。特に、笑いの部分のテンポが、なんとも独特なんですよね。
実際にいらっしゃる人でも、なんというのか、独特のテンポがあって、何とはなしに、好感が持てるという人がいるように、私は感じることがあるんですけれども、小山…の作品を読むと、それに似た感覚を覚えます。私個人は、こういうの、かなり好みです。興味を持たれて、読んでみて、同じ感覚を味わって戴ければ…、とちょっと思います。

小山…とはまた全然違うテンポながら、「独特のテンポを持った漫画家」で思い出される方を、適当につらつらと書いてみるに、…結構いらっしゃいますね。
先日、弱小合唱部を舞台に、その合唱部に入部した女の子が主人公の作品「オトノハコ」(講談社)(同時にIKKI連載の「土星マンション」(3)(小学館)も)を出した岩岡ヒサエとか。

しばしば、エントリに名前が挙がる、えらくハイスピード(でも原稿の上がるペースは…)のコマ割りをする弐瓶勉とか(そういえば、最近発売されたアフタヌーンの5月号には「ブラム学園!」の第三弾が出たり、モーニング増刊の「MANDARA」Vol.2では、「BLAME!2」(“2乗”の表記が分からん…)が載ってましたねぇ)。

あとは…、榎本俊二なども、ものすごく独特なテンポの作品を描きますね。

そういえば、小山…は、そうでもないのですが、岩岡、弐瓶、榎本、個人的にかなり好きな方達ですが、なんでしょう、何故か読むとかなり疲れるというのも共通していたりします。
作品のテンポに慣れるよう、自分の中でアジャストでもしているんでしょうか。


ということで今回は、少しショートにまとめてしまいましたが、漫画を読んで中空を翔ける感覚を味わってみませんか?という話。


nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:コミック

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。