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尻すぼみにならぬように-モリエサトシ「星空のカラス」- [漫画]

本当に久々に漫画の単行本について書こうと思います。…恥ずかしながら、何年振り?というくらい、単行本の感想書いてなかったですね。ブログのタイトル、変更した方がいいかもしれません。

それはともかく、従前通り、大したことは書けないかと思いますが、「こんな作品あったんだ」という、ちょっとした気付きの手助けになれば、と思います。 


で、今回取り上げる作品は、モリエサトシ「星空のカラス」(白泉社 現在2巻まで)になります。

私は、女性向け方面は弱いので、存じない方でしたが、この方、結構単行本は出していらっしゃるようですね。

SSCN1266.JPG

カバーはこんな感じ。花とゆめコミックス、基本的なカバーレイアウト変わっちゃたんですよね…。
慣れていることもあって、従前のものの方がどちらかというと好きなんですが、古臭いイメージになってきているので、イメージチェンジということなんでしょうか。
…作品タイトル部分の空白分、カバーイラストが小さくなって、インパクトに欠けるからかもしれませんね。

ただ、言わせていただくと、既存分はそのままに、新規に1巻が出る単行本から変更、の方が個人的にはありがたかったのですが。途中から変わるのは、正直、なんか変な感じがします。

hoshizora1.jpg
コレが…

hoshizora2.jpg 

こんな感じに。…やはり1巻のレイアウトの方が好きなんだけどなぁ。 


ともあれ、作品について。あらすじはこんな感じ。
主人公は、烏丸和歌(からすま わか)という13歳の女の子(1巻のカバーの娘さん)。でも、年齢と名前を伏せて、従姉の名を借りて囲碁を打っている。それは、囲碁を打つのを母に反対されているから。そんなある日、「オレ様」な、傲慢で軽薄な若手棋士鷺坂総司(さぎさか こうじ 2巻のカバーのにいちゃんに出会って…、という話。

画力的なところを申しますと、のっけから、否定的で申し訳ないのですが、単行本の数の割には…、という印象が否めません。
他の作品を知りませんので、えらそうに決めつける意図はありませんが、この方、絵柄に重きを置いている方ではないように思います。

特筆すべきは、やはり題材が囲碁ということではないかと思います。女性向けで、囲碁というチョイスが面白く感じられます。ジャンプで「ヒカルの碁」が先行してヒットしましたので、前代未聞というものでは決してありませんが、なかなか興味を持ちにくい題材ではあるように思います。
で、囲碁をダシに使ってメインは別のところにあるというものではなく、盤面全体こそあまり出しませんが、局地戦については、画面上に描くなどして、題材をおざなりにしていないのも、個人的には気に入っています。

他に囲碁を扱っている作品というものを見かけませんので、題材の掘り下げ方を比較し吟味できないところは個人的に残念なのですが、それだけ漫画作品の題材としてマイナーなものを扱おうという意欲が素晴らしいと思います。

で、それだけマニアックな内容となっているのかというと、そんなことはありませんで、きちんと主人公の女の子が女の子してますし、漫画作品として成立していますので、「囲碁?そこはどうでもいいよ」という方も、読める作品となっていると思います。

ものがたりの各論というのか、かなり些末なところになりますが、年齢に似合わない(実年齢よりかなり年上にみられる)容貌の主人公の女の子の、思いがけずドン臭いところなどは、個人的に結構好きだったりします。

あと、これは、別に描きたいところがかなり異なっているので、心配するようなものではないと思いますが、同じ題材の作品としてほんの少しだけ引っ掛かってしまうのは、件の某作品のように尻すぼみのぱっとしない終わり方をしてほしくないなぁ、ということでしょうか。

あの作品、取ってつけたような展開をせざるを得ない事情があったのかもしれませんが、佐為(って書いちゃいました…)がいなくなってからの展開の締めとして、昔の人から受け取ったものを、後の世代へ引き継いでいくという役割を担っていく(といったニュアンスだったと思いますが、人に差し上げてしまったので単行本が手許にありませんで、全然違っていたら申し訳ないです)などという辺りが主人公の口から語られていましたが…、そんなこと、引き伸ばして描かなければならなかった必然性が感じられず、結構残念でした。
佐為との訣別、そしてヒカルの成長を描くにしても、もっと短いエピソードで十分だったように思います。

この辺り、日本が勝てなかった点を取り上げ、他の国への配慮というのか圧力というのかがあって…、と云々するような方もまま見られましたが、個人的には、あの話の中で、国別対抗の勝ち負けってそんなに重要だったのかなぁ、あまり重要でないところに気を取られ、作品の読むべきところを見誤っているのでは?と、当時思ったりしました。まあ、人の読み方はそれぞれですし、自由に読めばいいものですから、「正しい読み方」が存在する訳ではないですけれども。

…と、話が随分と逸れました。
ともあれ、そのような展開を見せる作品ではないと思います。また、従前の単行本の連載の長さを見るに、端的にまとめてくれそうな印象がありますし、作者も、もともと2巻完結の予定であった旨単行本の中で書いていましたので、そうは引っ張らず、最後まで楽しませていただける作品にしていただけるのではないかと、思っています。

ということで今回は、久々の漫画についての感想、という話。


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