SSブログ

書けない理由 -今日マチ子「みかこさん」- [漫画]

先日、仕事の面接に行ってきました。書類審査の段階で落とされることが非常に多いので、ありがたい話です。

で、単に面接をするだけかと思いきや、エントリシートと称した自分についてのちょっとした記述(セールスポイントとか…)とか、簡単な漢字の読み書きなどをやりました。
書き取りでは、工事関連の「施工」が思い浮かばず、「違うよなぁ…」と思いつつも「施行」としか書けませんでした…。 エントリシートも、それを表す漢字の正確性に自信が持てず(いや、誤字を書いてしまうのは、完全にマイナスだろうと思いまして)、自己PRとして多少なりともマシなことも書けませんで、ものすごくつまらないことを書き、後で反省。…「謙虚」とか「貪欲」とか、なんで書けなかったかなぁ、自分。

緊張すると、普段できることができないものだなぁ、と久々に実感しました。そしてまた、思った以上に、漢字を忘れていた(というのか、自信をもって書けなくなっていた)のも結構ショックでした。


それでまあ、芳しくない私の近況はさておき。
御覧になられている方からすれば、どうでもいい話ではあるのですが、こちらの拙ブログ、エントリを延々重ねてきて、漫画についても、結構な数を書いております。
ですが、案外、エントリにしないもの、できないものがあったりします。まあ、妙な偏りがあるのは、私自身が読んでいるものに偏りがあるからというのも多分にあるのですが、その中でも、採り上げるものには偏りがあるように、自分でも思います。

私の読むものに関する偏りはともかく。
エントリにしないもの・できないもの、その理由についてはいろいろあるのですが、ひとつには、私ごときがいまさら採り上げなくても、皆さん知っているだろう、というもの。これはあまり採り上げることがありません。

あ。別に、マイナー志向を前面に押し出そうというのではなく、私の文章力などで、他の方も多く書いていらっしゃるであろうメジャー作品の面白さを、さらに掘り下げて説明できるとは思っていないからでして。
他方、比較的マイナーかなぁ、と思われるものに関しては、拙いものでも書いておけば、そこから、「こいつの文章はともかく、作品はちょっと気になるから、読んでみようかな」と、なるかもしれない、という考えに基づくものです。知らなければ触れようがありませんから、「ちっこい窓口」にでもなれればという意識、ですね。

もうひとつ。
これはエントリにできないというものになりますが、エントリにするには、その作品やものがたりについて、「この作品は、これこれこういうものですよ」とか、「作中このように描かれているものについて、私はこう考えるのですが、いかがでしょう?」とか、「作中こんな箇所がありますが、これってぇのはいかがなものでしょう」とか、とにかく、作品について語る=言葉にするという作業が必要です。

この「言葉にする」というのが…。
どうでもいいことをダラダラと書く割に、ボキャブラリーの貧困さゆえか、的確な言葉が頭に浮かばず、どうにもカタチにできない…、という事態に陥ることが結構あります(…先日の面接のように)
そういう、言葉にできない作品については、書きようがなく、好きな作品で、人様にも御覧になっていただきたいと思っても、どうしようもない訳で、こちらのエントリにはならない、ということになります。

もっとも、逃げ道として、「この作品、気に入っています。どこがと訊かれると、困るのですが」とか「上手く言葉にできませんが」として、言葉による説明を避けて、それでも採り上げてしまうこともままあったりしますけれども。
ただ、書いていると「私ごときではどうしようもないとはいえ、なんとも抽象的というのか、本当に『ただ、採り上げただけ』だなぁ…」と、上げてから自分自身は結構へこみます。

言い訳をするならば、言葉で言い表しきれる作品なら、それは漫画という表現形式をとる必要などなく、それこそ単に文章にしてしまえばいい訳で、私ごときに十分に語られてしまう作品は、それ自体、小さくまとまっているともいえます。それでは漫画として駄目でしょう、ということです。

あ。といっても、それでは、私が今まで挙げた作品は駄目なのかというと、無論そんなことはなく。私の描いているものなどは、その作品の全容について語り切れているものではなく、作品のこういうところが…と、部分を取上げていることが多いですから。言葉にできそうな部分だけピックアップしている、と。それで、その部分的な取っ掛かりが上手いこと見つからないと、エントリにならないんですね。


で、なんで、こんな言い訳のようなことを書いているのかといいますと、私自身は、その面白さを上手く表現できないけれども、今回は作品そのものを御覧に入れて、紹介したいと思いまして。

ということで、今回は今日マチ子「みかこさん」(講談社)です。

この作品、画像の転載とか、一定の要件(=クレジット表示、非営利利用、改変禁止の3つの要件)の下で自由ということなので、こういうのは助かります。

で、例として上げてしまいますが、こんな話。個人的に、いいセンスしているなぁ、と感心した回である「#7砂時計」

今日マチ子 みかこさん

 

今日マチ子 みかこさん 今日マチ子 みかこさん

一部を抜粋してみました。読み順は、上から右下、で左下という順番です。

冒頭のタイトル頁とラストの頁は載せておらず、また、科白が読みにくい頁もありますが、漠然とした雰囲気はこれで分かるでしょうか?(…縦横の倍率はちょっと変わってしまったかもしれません)

「みかこさん」、この回は説明しやすいのですが、全般にどこがどういいというのが、私には説明が難しい作品です。
ただ、説明は難しいのですが、そんなこととは無関係に、非常に気に入りました。ブルース・リー風に言うならば、
(甲高い声で)“Don’t think! Feeeeel.”という感じでしょうか。

それで「砂時計」の回は、3頁めの「言葉が落ちてくるのを」というコマのセンスがいいなぁ、と個人的に思うのですが、いかがでしょう。
私自身は、同作者の「センネン画報」より、こちらの「みかこさん」の方がピンとくるというのか、好みです。

で、「みかこさん」、Web上とはいえ、男性向けのモーニングに割り振られていますが、…女性の方が、面白さに共感するような気がします。
同作者の「100番目の羊」は未読なのですが、こちらの作品も読んでみようかなぁ、と思います。
下手な紹介で恐縮ですが、ちょっと興味を持たれた方には、とりあえず「モーニング」のサイトの方で一度、御覧になってみていただければ、と思います。

ということで、今回は、画像の挿入をして楽をしてみたけども(実はさほど楽でもなかったのですが)、考えてみるに、「センスが感じられるコマがあって…」と、言葉で説明できないこともなかったことに気付いたのは内緒、という話。


nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:コミック

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。