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勉強せな、といいながら…―3/23 15:00~ 三人集~市馬・談春・三三~を観る―

前回のエントリにも「勉強せな」と書き、また諸々の余裕もないのに、先日は落語を観に行ってきました。

いや、バイト先に、落語好きな社員の方がいらして、その方に、以前より「私も落語好きなんですよ」と、吹聴というと語弊がありますが、言っておりましたところ(素人に毛が生えた程度しか知識がないだけで、好きなのは本当です)、
その方から、「実は、観に行こうと取ったチケットがあるのだが、先日来、体調が優れず、観に行けそうにない。だったら、興味があるのかないのか分からない人にやるよりは、多少なりとも興味があるんだし、観に行かないか?」ということで、その方のチケットを戴いたものでして。

チケット.jpg
神々しい光を放っているチケットにございます。

この場を借りまして。
Tさん、こちらをご覧にはなっていらっしゃらないでしょうけれども、本当にありがとうございます。
お体、全快することを願っております。今度何か、お礼させて下さい。

それで、チケットを戴いたはいいのですが、その戴いた当人の私、落語に限らず、ライブのものは、ほとんど観に行った経験がないため、私がやる訳でもないのに、非常に緊張しました。
「いや、何でだよ」とツッコミを入れられれば、本当におっしゃるとおりなんですけども。

まあ、ともあれ、当日のレポートになります。いつもながらと申しますか、いつも以上に大したことは書いておりませんが、よろしかったら、以降も御覧いただければ幸いです。


13:00前 自宅を出る。気温はそこそこながら、風が強く肌寒かったですね。

電車での移動中、自分でもしばしば忘れがちですが、受験生なものですから、少しばかり勉強してました。
芦部さんの「憲法」(岩波書店)をテレテレと読んでました。

たまにこうして電車での移動中に基本書(=要するに参考書・テキストのことです)を読むのですが、不思議と普段より読み進められるんですよね。
実際、一度、基本書を読むために、定期を利用して車内で勉強しようかなと思ったことがあります。

実際のところ、電車内は揺れるため、目の負担が大きく、目にあまりよろしくないらしいので、実践はしませんでしたけれども。…ただ、気分転換にはなるし、自宅でやるより進むのであれば、たまには取り入れてみようかなぁ、とは思いますね。

14:00ちょい前 新宿駅着

で、5分ほど歩いて、落語を拝見する会場である紀伊国屋ホール前に着きました。

紀伊国屋本店前.jpg
紀伊国屋ホールの前。というより、紀伊国屋本店前ですね。このビルの4階にホールがあります。

ホール前案内.jpg
観に来たのは、こちら。

案内拡大.jpg
拡大しました。画像を取ったときには気づきませんでしたけど、演目の一部「ちきり伊勢屋」をリレー形式でやる旨が書かれていたんですね。

~14:30 開場が14:30で、ちと時間に余裕がありましたので、紀伊国屋の中で、ぶらぶらと時間をつぶしました。

繰り返しますが、これでも受験生なので、たまには見ておこうと思い、法律関連のコーナーを散策。…旧司法試験の関連書籍、本当に少なくなったなぁ、と痛感しました。
辰巳の単年度版並んでませんでしたが、もう出さないんでしょうかね。単年度版の中で、一番使い勝手がいいんですけど。

会場前のホール入り口辺りでは、会場待ちの方が結構いらっしゃいました。
…やはり落語ですから、年配の方が大半でした。私ですら、結構若い方でしたし。それでも、ちらほらと、私と同年代、それより若い方もいらっしゃいました。

14:30 開場後すぐに入りました。

ホールの中.jpg
開場すぐの頃(14:35くらいでしょうか)のホール内。

実際は、画像よりももう少し暗いです(高感度でとってみたんですが、予想外に、ブレずに随分と綺麗に撮れました)。
座席の間隔がちと狭いのと、座席が古くなっているのとで、2時間以上座りっぱなしであることを考えると、ちょっと座り心地は悪かったです。
…あ、悪いといっても、快適さを追求した最近の映画館(といっても、めったに行く機会がなくなってしまいましたが)と比較すると、ですので、格段に悪いということではないです。「至って普通」という程度と思っていただければ、と思います。

あと、上記の画像は開場すぐの頃でしたので空席が多いですが、開始直前には、定員400名くらいでしょうかのホールですけども、ほぼ満席となりました。

私が戴いた席の位置は、中段右よりの、前は通路の席でした。見やすい、いい位置でした。

ひとつ、ちょっと面白かったのは、場内の、開演に際しての注意事項のアナウンス。
落語の中心は、噺を聞くことですから、物音を立てるのはよろしくない。なものですから、当たり前ですが、携帯・PHSの着信音等ならないようにしなくてはならない。
で、その案内で

「…携帯電話、PHSは電源をお切りくださいますよう、お願い申し上げます。最近では、携帯電話などには、着メロ、着うたなるものがあります。それに合わせて市馬が歌いだしてしまうかもしれませんので、くれぐれも宜しくお願い申し上げます…」

な感じで、注意を促していました。
市馬さんという噺家は、歌が上手いことで、有名なようですね。実際、後で聞きましたけれども、いい声をしていらっしゃいました。

15:00~ 開演

構成は大別して、前後半に分かれておりまして、前半は、珍しい演目(のようです)の「ちきり伊勢屋」を3人の噺家でリレー形式で分担、で後半は各人で、というものでした。

で前半の「ちきり伊勢屋」。あらすじを申しますと、こんな感じ。

伊勢屋の旦那傳次郎は、気分が沈んでいた。というのも、自分の年もいい年になったので、妻を娶ろうと考え、ただ、時機というものもあるだろうし、その辺り、著名な易者に占ってもらおうと、白井左近なる易者に見てもらったところ、白井はそれどころではないという。
「お前にははっきりと死相が見え、来る2月25日に、何があっても間違いなく死ぬ」というのである。
その原因であるが、「先代の伊勢屋は強欲でもって身代を築いたもので、人からうらみつらみを買っている。そのうらみつらみがたまりに溜まって、お前にかえってくるのだ」という。
そして、さらに「死ぬのであれば、来世の功徳として、今蓄えている財を人のために使ってしまうといい。さすれば、来世(今世は無理なんだそうで…)は良い人生が送れるであろう」というのである。
傳次郎は、易者の言葉を信じ、憂いを遺さぬよう、店の番頭に暇を出したり、新しく店を出すのを助けたり、手代やら、雇い人の後の身の振り方をきちんとした。
それで、残った財産は、人のためになるよう使おうとする。ただただ人のため、というのも堅苦しい。もとは強欲で人からふんだくったような銭なので、それを散財して、人様に返すだけでも功徳となるので、遊ぶのでもいいと易者より言われていたので、吉原で遊んだりもする。
その際、もらい火で、預かりの商品を灰にしてしまって、どうにも立ち行かなくなった一家が心中しようとするのを見かけて、店の再建の手助けとして、金を融通したりもした。
それで、次第次第に来る日が近づいてきて…。

上記で大体、話の3分の1くらいでしょうか。この辺りまでを立川談春が話しまして、次は柳家三三、で、話のトリは柳亭市馬

「伊勢屋」という話。筋だけ追ってみると陳腐というのか、なんだか盛り上がりに欠ける噺です。
オチらしいオチもない感じでしたし(まあ、落語を漠然とだけ存じていらっしゃる方からすると、意外に思うかもしれませんけれども、演目によってはさしてオチが重要ではなかったりするので、オチの有無の重要度はあまり高くはないのですが)。
いや、今回の噺家のお三方が実力のある方なので、楽しく聞けるものでしたけれども、あまりやらない演目というのは、少し分かる気がします。

16:30~ 16:20頃に、「ちきり伊勢屋」が終わりまして、緞帳が一度下りまして、10分ほどのインターバルの後、後半のスタート。 

後半は、市馬から。
「伊勢屋」はラストで、大阪にお礼を兼ねて旅に行こうかなどという件がありまして、ここから、後半のテーマは「旅」ということで、「二人旅」を選択。

で、続いて三三。「二人旅」の二人が旅を続けるにも、食べるものにも困って、寺に厄介になって…、という形で続けて、「万金丹」

トリが談春。その談春、マクラをはじめたのはいいけど、どうしたもんかなぁ、と結構逡巡してました。
というのも、三三はきっちりオチを付けて、別段前フリなども入れなかったので、流れがそこで、ぶっつり切れてしまったんですね。マクラの途中から、ちょっとぼやいてました。いやね、テーマなど無関係にやる訳には行かないんで…と。

あ。ご存知の方もいらっしゃるかと思いますが、ご存じない方もいらっしゃるかと思いますので、何故、談春がまごついてしまったのか、書いておきましょう。
私も最近知ったのですが、落語の演目というのは、最初からその日に演じるものが決まっていることもありますが、決まっていないこともままありまして。
その日の客の反応であったり、今日あった出来事に関連させたり、また、前日までに行われた演目と同じ、ないしは似た演目を避けたりしなくてはならないということで、リハーサル等なしに、リアルタイムに、当日決めることになります。

なもので、何をやるのか決まっていない、加えてテーマは旅、そして、前の話の続きから始めなくてはならないというシバリまであり、かつ前フリもないので、どう続ける? となってしまったようです。
こういうのは、本当にライブものならでは、という感じですね。こういうものが見れたのは、ある意味、面白かったです。

あ。話が前後しますが、ライブものならでは、で思い出しました。市馬の「二人旅」では、旅のみちすがら、歌を歌うシーンが入ったのですが、その選曲を間違ってしまったそうで。…後で、ご自身が気にしていたそうで(と、談春が、後半のマクラで話していました)。

それで、談春、しばらくして、あ、そうだ!となりまして。
旅の二人は、江戸から出て伊勢に行くところだったんだ、そこで、道に迷ったりして、寺に厄介になったりしたんだけれども、また旅路について、舟に乗りまして…ということで、「桑名舟」

 


さて、今回落語聞いてみての感想。
いや、面白かったです。本当、譲ってくださったTさんに感謝です。

噺家のお三方ですが、皆さん、上手かったです。
特徴としては、この中で一番若い三三は、一番元気よく話されていましたが、ちょっと力が入り気味で、市馬・談春から、「演技がくさい」と、何度かいじられていました。
なものですから、ご本人も「夜の部(私が観に行ったのは、15:00からの昼の部。その後で、19:00からの夜の部がありました)では、抑えます」と、おっしゃってました。

で、談春。マクラなど、話それ自体は、かなり毒を吐くような感じの割に、声の質が、人情噺向きというのか、やさしい若旦那の声などが、すごくいい感じでした(私自身は、談春のこういう役向きのときの声がものすごく好きです)。そのギャップもちょっと面白いですね。

市馬。全般に、安心して拝聴できる、そつなく上手いなぁ、という感じでした。これからの落語界を担っていく方なのかなぁ、という感じ。

基本的に、お三方とも、いい声をしていらっしゃいました。
声が商売の大半を占めるものですから、やはり声のよしあしは、やはり大事ですね。
蛇足ながら、私なんぞは、別に声を商売にする訳ではないですが、声の悪さは自覚がありますので、声が良い方は羨ましいです。

演目.jpg
最後に。帰りに張り出されていた本日の演目。
前述したとおり、今日のような場合、その場そのときに演目を決めるため、先に演目が張り出せないんですね。

蛇足に。帰路途中に、ミソを付けられた話なども。
宜しかったらご覧下さい。

 

何があったのかと申しますと、帰りの電車を品川で乗り換える際に、私は不意に声を掛けられまして。
で、顔を見ると見知らぬ人です。
何か、訛りがあって、困っているようです。

彼から私は、「金をなくして、帰りの電車賃として900円を貸して欲しいんですが…」と訛りのある言葉で言われました。

…正直、瞬間的に頭に来つつ、また「こいつ、馬鹿じゃねぇか?」と思いましたが、乗り換えの電車がホームに到着しているのが目に入りましたので、会釈して、やり過ごしました。

…ここで、私のことを「きちんと事情なり話なりを聞かず、なんて酷い奴だ」と思われた方もいらっしゃるかと思います。

ですが、ちょっと私の言い分も聞いてください。こいつ、はっきりいって、騙りでしょ?

よしんば、こいつが本当に財布を落として、困っているとしても(個人的には、奴はそうではなかったと考えておりますが)、こいつ、何で、駅員に相談しないんでしょうか? で、金額も、1コインではないですが、札になる一歩手前の900円なんでしょう。微妙に、比較的、気楽に「まあいいか」と出せる金額ギリギリっぽく感じられませんでしょうか(札は、さすがに貸さないでしょ?)。あつかましい気がします。
大体、見ず知らずの人に、金借りるのに、自分の身元を云々する以前に金貸してくれってぇのも変ですし。先に身元を明らかにしない奴に、金なんか貸すかと申し上げたい。

また、電車賃として金借りるより、電話代をいくばくか借りるかして、より親しい知人に、金の方は何とかしてもらうのが普通ではないでしょうか。そもそも、「駅の構内」で、電車賃として金借りるってぇ発想がおかしい。自分の降りる駅ないしは、より近いところには、金を持っていなくても行けるだろうに。何故、こいつはそうしないんでしょうか。とりあえず行くだけ行って、事情を駅員に説明すれば事足りるのではないでしょうか。少なくとも、より少ない金額を借りるだけで済むのではないでしょうか。

返してもらえる保証もないのに、何で見ず知らずの奴に金を出さなくてはならんのでしょうか。私なんざ、知り合いに貸した漫画すら返してもらえず、現在借りパクされた状態になっているというのに(気に入っている作品でしたので、現在、必死に回収を画策中にございます)。…人に漫画借りたままで、仕事辞めやがって。

ともあれ、品川の馬鹿に話を戻しまして。
瞬間的に上記のようにまでは考えませんでしたが、「何かおかしい」と、あまりに疑問符が付く印象を受けたので、こいつ騙りじゃねぇか?と感じました。
100円だとか、500円とか、1コインだったら、比較的、ポイッと出してくれる人、いると思いますけどね。その労力が惜しいんでしょうか。

…駅員や、鉄道警察のところまで連れて行って、「こいつ、騙りです」と、突き出してやればよかったと思いました。

品川駅で、似たような野郎に話しかけられたら、私に代わって、誰か駅員や係員の前に突き出して、こいつをとっ捕まえて下さい。

ということで今回は、もう遊べる時間はなくなったので、本当に勉強せなという話。


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